#056 自己を貫くか、空気を読むか

商業主義の対抗概念としてのロック。Nirvanaカート・コバーン。彼は商業的成功を収めたことにより、反商業主義という自己の信念との葛藤に苛まれ自殺したと言われる。


カート・コバーンを出した後で非常に恐縮だが、俺らクラスのアマチュアの、しかもささやかな土俵で活動しているバンドでさえも、自分たちの主義を大事にし先鋭的に攻めるか、一般受けを狙うかといったそういった議論はある。
俺なんかは幼少の頃から他人の顔色窺っていたってこともあるせいか、今まではかなり後者寄り。「自分たちさえよければいい」といった意見はオナニー(自己満足)だと思えて、あまり好きじゃなかった。・・・ところが最近考えが少し変わった。


人の好みって十人十色なわけで、一般受けを狙うことばかり考えると、あっちいったりこっちいったりすることになるわけで、結局自分たちの立ち位置も方向性も見失ってしまうことになる。


自分の主張と周囲の望むこと、この二つを対抗概念と捉えるのが間違いでないだろうか。むしろ、自分という存在も大宇宙の一つの構成要素なのだから、自分のやりたいことを真摯に追求すれば、そこにはコモン・センスにリンクする部分が出てくるんじゃなかろうか。


音楽だけじゃなくビジネスシーンだったり、どんなことにでも自分の主張を貫くか、空気を読むかといった自己問答に悩む場面はあるだろう。そんなときは薄っぺらいエゴを満たすとかそういったレベルじゃなく、自己を徹底的に満足させることを心掛ければ、だいたいい結果が生まれる。答えは外側じゃなくて、自分の内側にある、それが最近の俺の信念。